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【新型コロナワクチン 本当の「真実」】の要約と感想_免疫学の第一人者の意見とは?

免疫学の第一人者として広く知られている宮坂昌之さんが著者の新書【新型コロナワクチン 本当の「真実」】を要約し、感想を書きました。


ワクチンに対する疑問・不安をデータから紐解き、答えを出してくれる本です。
この記事を書いている時点(2021年9月1日時点)で、Amazonでベストセラー1位を獲得しているのも納得の分かりやすさと説得力です。
この本を読めば、新型コロナワクチンの「懸念すべき点」と「安心できる点」が明確になります。

新型コロナのワクチンはデルタ株にも効くのか?

日本では、ワクチン1回目の接種が完了した人が56%(2021年8月31日時点)になりましたが、感染者数は未だに落ち着きません。
この状況下で

「ワクチンは本当に効いているのか?」
「デルタ株にはワクチンが効かないのではないか?」

と疑問を持つ人も増えている様に感じます。

この疑問に対し【新型コロナワクチン 本当の「真実」】が答えを出してくれました。

そもそも、ワクチンの「効果」とは【発症予防(自分がなる)】【感染予防(人にうつす)】【重症化予防】の3つで定義することができます。

この3つの定義別に、ワクチンの「効果」を見ていきます。

新型コロナワクチンの効果「発症予防」

まずは自分が感染することを防ぐ「発症予防」の効果から。
ワクチン(ファイザー)による「発症予防」の効果は

アルファ株:93%
デルタ株:88%

ご覧の様に、デルタ株での「発症予防」効果はアルファよりも若干落ちる為「ブレイクスルー感染」が起こるのです。
この部分(ブレイクスルー感染)だけを切り取り、ニュースにされることが多い為「ワクチンはデルタに効かない」という誤った考えが広まってしまうと著者は考えています。

しかし、次に記載する「重症化予防」の数字を見てください。

新型コロナワクチンの効果「重症化予防」

アルファ株での「重症化予防」効果の数字はありませんが、デルタ株で「96%」という非常に高い数字が出ています。
この「重症化予防」だけでも、十分にワクチン接種の意味があると言えます。

一方で逆説的に「アルファは重症化しやすく、デルタは重症化しにくいのではないか?」という意見もあります。

この意見に対しても、著者は丁寧に回答をしてくれていますので、気になる方は本で続きを読んでみてください。

新型コロナワクチンの効果「感染予防」

最後に、他社へ感染すことを予防する「感染予防」の効果です。
ワクチン(ファイザー)による「感染予防」の効果は

アルファ株:92%
デルタ株:79%

この数字を見ると、デルタ株の「感染力」の高さが分かります。
ワクチンを打っても「感染」をすることはあるが「重症化」は極めてしにくい、ということを数字が示しています。

新型コロナワクチンの3つの効果まとめ(アルファ→デルタへ)

ここまででご紹介したワクチンの3つの効果(発症予防、重症化予防、感染予防)がアルファ→デルタになったことでどのように推移したのかをまとめます。

効果アルファ株デルタ株
発症予防93%88%
感染予防92%79%
重症化予防-96%

「重症化予防」についてはアルファの数字がありませんが、デルタでも十分に効果を発揮していることはお分かり頂けるかと思います。

ワクチンを接種しないリスクと副反応のリスク

ワクチンを接種しない最大のリスクは、前の章の通り「重症化をする」というリスクです。
デルタ株は、20・30代の若者でも重症化をしているケースが多数ニュースで取り上げられています。

一方でワクチンを打った場合の「副反応」のリスクはどうなのか?

この「副反応」を「重篤(命に関わる)」と「警備(命に関わらない)」に分けて考え、今回は「重篤な副反応」のリスクを取り上げます・

(「重篤」の例:アナフィラキシーショック
「軽微」の例:腕の痛み・発熱・悪寒など)

アナフィラキシーショックの大半は、ワクチン接種後15分以内に起こるそうです。

その為、ワクチン接種後は接種会場に30分待機をさせています。
また、アナフィラキシーショックを抑える「アドレナリン」を投与をする準備をしていることが、ワクチン接種会場の条件だそうです。

つまり、重篤な副反応が起きた場合のリスクは、最大限に抑制されているのです。

著者は、ワクチンを接種しなかった場合のリスク(重症化・後遺症・他者への感染)は、ワクチンを接種した場合のリスク(重篤な副反応)よりも明らかに重い為、ワクチンは接種すべきだと結論付けています。

新型コロナのワクチンはいつまで効くのか

新型コロナのワクチンは、接種後6ヶ月〜1年をかけて、抗体が50%以下に落ちると書かれています。
そこで、2回目の接種から効果が落ち始める5ヶ月後に、世界で初めて3回目の接種(ブースター接種)を始たのがイスラエルです。

私もそうでしたが、ワクチンの2回目接種後には高熱が出た人が多くいました。

2回目でも副反応が結構しんどかったのですが、3回目の副反応はどうなんでしょうか?
また、3回目接種で新型コロナへの効果(抗体)は回復するのでしょうか?

このような疑問に対する答えは、専門家の中でもかなり意見が割れているそうです。

ワクチン先進国である、イスラエルの動向をウォッチすることが、日本の未来における一つの選択肢になりそうです。

最も早くワクチンが普及した国のひとつ、イスラエルの例

イスラエルとイギリスは、世界で最も早くワクチンが普及した国であり、最も早くデルタ株が流行した国でもあります。

ここでは、イスラエルを例にとって、コロナとの戦いの歴史を振り返ってみたいと思います。
前述の通り、イスラエルのケースは、日本がこの先取るべき選択肢の一つになりうります。

イスラエルのコロナとの戦い

アルファ株がイスラエルで流行した頃から振り返りをしてみたいと思います。

年月トピックス
2020年12月・アルファが流行
・ワクチン1回目接種開始
2021年1月・ワクチン2回目接種開始
2021年4月・1回目接種が6割超え
・感染者数が12月の80分の1
まで減少
2021年6月・マスク解除
・デルタ株流行
・マスク解除取り消し

イスラエルの事例から学べる事実

注目すべきは、4月時点で人口の6割がワクチンの1回目接種を終えている点。

日本の場合は、8月末時点で、ようやく人口の5割程度がワクチンの1回目接種を終え、秋頃に人口の6割接種完了を目標としています。

イスラエルは日本よりも人口が少ない国なので、日本よりもワクチンの普及がしやすかったという側面もありますが、日本よりも約半年も早く6割完了を達成しています。
ワクチンの普及後にイスラエルが辿ったコロナとの戦いは、今後日本も辿るかもしれない道です。

次に注目すべきは、ワクチンが普及後した後にもデルタが流行している点です。(2021年6月)

著者は、この時期の新規感染者数のうち、ほとんどがワクチン2回目の接種が完了してない人だったと述べています。
また、アメリカのシアトルでは、新規感染者の97%がワクチン2回目接種が完了していない人だったというデータもあり、これらの事実が逆説的にワクチンの効果を示していると言います。
(本には、リソースとなるデータが記載されていますが、この記事では割愛します。)

そして、「死亡者数」の増え方は、アルファとデルタで明確な違いがあるそうです。
2021年6月に、デルタの流行によって増えた「感染者数」に対して、「死者数」の増加は緩やかだそうです。

これは、前述した「ワクチンの重症化予防効果」の根拠になる事実の一つです。

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コロナと日本の未来

「コロナによる行動制限はいつまで続くのか?」

この疑問に対し、免疫学者の中で出ている意見の中央値を取ると「2023年頃」の見込みだ言います。

ワクチンが普及→ワクチンの効果+行動制限による封じ込め→変異株による脅威

上記の流れを鑑みると、後2年はコロナの脅威が続くということです。

しかし、この間にずっと行動制限がかかっているのでは無く、行動制限→解除を繰り返していくだろう、と著者は予想しています。

そして、我々が取るべき行動については、ワイドショーのニュースに一喜一憂するのではなく、自らがワクチン先進国の経過を定期的にウォッチし、正しい状況把握をすることだと述べています。

ワクチン先進国では、イギリス・イスラエルに続き、フランス・アメリカなどが挙げられます。

私も、SNSやワイドショーのニュースに踊らされず、自分の目で正しい情報を精査していきたいと思います。

他国のコロナの状況は、こちらのサイトがグラフ化されていて分かりやすいです。

この記事を読んでくださった方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。

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